矯正治療は子供の治療だけではほとんどの患者さまが治療が終わらないです。
矯正治療では大人の矯正治療(マルチブラケット法=ワイヤーとブラケット)を最終的に行わないときちんと治らないとお考えください。
子供の矯正治療はある程度の矯正であり、成長発育に合わせて顎のバランスをとったりするのが目的で、個々の歯をしっかりと咬ませるようにする治療ではありません。よって多くの症例は子供の治療の後に大人の矯正治療を行うことになるのです。
できれば矯正治療は行いたくない、または治療を行うとしても時間や費用の関係から子供の矯正治療だけで済ませたいのが本音ですね。矯正歯科治療は原則健康保険も使えないため、高額な治療費になることも多いです。一部わずかですが、装置を頑張った結果、大人の矯正治療が入らなくなる患者様も存在します。しかし、確立したしっかりとした咬合を目指すと、やはり多くの患者様は大人の治療が必要になってしまいます。
それでは、子供の矯正治療は行わず大人になってから治療を行えば良い、大人になって自分で治療費を稼げるようになったらやれば良い、このような極論になってしまう保護者の方も少なくありません。
子供の矯正治療は大人の矯正治療をやりやすくする治療と考えてください。
長年籍を置いていた大学での統計的調査でも子供の矯正治療を行なった場合、大人の矯正治療の必要性が少なくなる。つまり段階を踏むことにより治療が簡単になることが立証されています。また、人の成長期は子供のときです。背が大きくなるのに合わせて、顎も大きくなるため、その時期にバランスをとっておければ、後の矯正治療は必ず難易度を下げて、簡単に行うことができるます。大人になってからだと顎の骨が固まっているので、歯を抜いたり、歯の傾きを変えることによって、多少無理に治すことしかできない場合があります。
現に大人になっていらした患者様で「ああ、もっと早く来てくれれば、もっと簡単に矯正治療が行えたのに...」と頭を悩ますことも少なくはないです。
以前も書いたように矯正治療が必要かどうかはだいたい6歳までに一度矯正専門の歯科医に診てもらう必要があります。
ここで重要なのは矯正専門に診てもらうことです。
医院の看板に単独で矯正歯科だけを標榜(掲示)している医院に行かれれば、間違いなく矯正治療だけを行なっている先生が在籍しています。お電話で確認してみるのも良いかもしれません。
当院では子供の矯正治療にはなるべく取り外し式の装置を選択するようにしております。また全力で子供の治療で治せる限界まで取り組みます。取り外し式の装置は虫歯や歯周病のリスクを下げ、嫌な時、はげしいスポーツの時に外せるなどの利点があります。欠点はあたりまえですが、装置を使わないと治療効果がないことです。矯正の装置は個々の症例によって適応が異なります。担当医の話しをしっかりきいて、理解してから装置を使用するようにしてください。